社内の関係ではなくて、社外との関係がうまくいかないときもストレスになります。社外との関係がメインの会社や職種も多いです。そのような場合は、多くの場合は、社内的には、同じ苦労をしている者同士の連帯感が生まれやすく、社内の人間関係も問題は少ないようです。

例えば店舗で働く従業員なら不特定多数のお客様を相手にしなければならない場合もありますし、お得意様のように特定のお客様を相手にする場合もあります。営業で外回りする場合いも同様です。飛び込みで回ることが中心の仕事もあれば、固定客を中心として回る仕事もあります。

いずれにしろ、営業や店舗販売では、お客様や取引先の担当者が嫌いで顔を見るのもいやだと、仕事は辛くなります。そういう人の人数が多いとなおさらです。この仕事が自分に合わないのでは思うようになります。

お取引先や、お客様は上から目線で物を言います。それは当たり前のことですが、ときには、「そうはおっしゃいますが」と言いたくなることも結構あります。言ってみたこともありますが、それで相手が納得するわけではなく、かえってこじれることになりました。

お客様や取引先のことが嫌いになったときで一番多いのがクレームを受けたときではないでしょうか。わたしは、クレームを受けたときには、胃が痛くなりました。多いときには一週間に数件うけることもありました。

それでも、経験を重ねるうちに、あるときを境にクレームの対応にも自信が付いてきました。それと同時にお客様に対する恐怖心もなくなってきたように思います。きっかけは、お客様の立場にたって物事を考えるようにしたことです。

言葉にするとなんだか当たりまえすぎるのですが、効果は大きかったです。無意識のうちにクレームを受けると自分の立場で説明してしまいます。自分は悪くないと誰しもが思っていますので、当然そうなります。相手にしてみれば、じゃあお前が悪くないのなら俺が悪いのかとなってしまいます。

相手の立場になってよく考えると、そのひとが困っていることが実感としてわかります。一度自分が相手の立場になりきって、もしも自分が同じ経験をしたらどう感じるか考えるとよいと思います。そうすると相手が何をしてほしいのかがわかるようになります。

相手の立場に立つと、自然と謝ることもできるようになります。それが自分の立場で説明すると、相手が何をしてほしいのかわからず機械的に対応してしまうことがあります。そのずれが相手の不満をさらに大きくします。

相手の気持ちが、わかるようになるには、一度自分の立場から離れる必要があります。そして相手の立場になりきって物事を考えると、自然とどうすればよいのかがわかってくるということに気づきました。そうなるとクレームは、ほぼ解決したと同じです。こじれることも少なくなってきます。

クレーム以外も同じことが言えるのではないでしょうか。取引先やお客様は、基本的に自分たちとは立場が異なります。その立場にたって物事を提案したり、話し合ったりすることができれば、必ずよい関係が気づけるようなると思います。