職場で辛いときには、今までと違う自分を演じてみることも効果がある方法です。今までの自分のキャラクターでは、今の状況から抜け出すことができなくても、違うキャラクターなら簡単に抜け出すことができるかもしれません。

内気なひとならで、外交的な人になってみる。消極的なタイプの人なら積極的なタイプになってみる。責任感が強い人は、責任がなくていい加減な人になってみる。自己主張の強い人は、自己主張をしないおとなしい人になってみる。いつも文句を言っている人は、素直な人になってみる。

最初は、今の自分と反対の性格に戸惑うかと思いますが、期間限定で取り組んでみることで今の辛さから逃れることができることがあります。自分は、このキャラクターしかないと思い込むことは危険です。固まっていると、状況の変化に対応できません。

多くの場合、職場の人間関係がうまくいかないと辛く感じます。職場の人間関係は、嫌いなら付き合わないという選択がなかなか使えません。嫌いでも上司なら逆らえませんし、嫌いな同僚でも表向きには上手くやっていかなければなりません。

あなたが嫌うタイプの人はどんな人でしょうか、職場でよくぶつかる人はどんなタイプでしょうか。その人になりきって演じてみることで、その人がどういうことを考えて行動しているのか少しわかるようになるかもしれません。時間にルーズな人が嫌いな人は、自分でも時間にルーズになってみたらよいかもしれません。

時間にルーズな人は、自分に甘く、他人に優しい人が多く、時間に厳しい人は、自分に厳しく、他人にも厳しい傾向があります。今までと逆のキャラを演じることで、今まで嫌っていたタイプの人の気持ちにも気づき、相手のことが今までより理解できるはずです。

自分が変わることで、しだいに周りの反応も変わります。その反応は、今までにない新鮮な反応です。自分にとってその反応が心地よい可能性もあれば、その逆もあります。反応が変われば、自分の気持ちも変わっていきます。

相手の反応を変えるためには、自分が最初に変わらなければならないのです。自分が変わらないのに相手が変わることはありません。自分を変えるきっかけとして、自分とは違うキャラクターを演じてみることで、周りの反応を変えてみることができます。

現状に行き詰まりを感じているのなら思い切ってやってみてください。そのときは、楽しんでやってください。だめならすぐに元に戻せばいいのですから。そのくらいの気持ちで気楽に取り組んでください。

そして、そのときに演じたキャラクターの気持ちを知ることができます。これも大事です。そういう人に対するときの自分の気持ちが、以前に比べると変化しているはずです。このことは、これから人間関係を築くときにも必ず役立ちます。

今までと違う自分を演じてみることには、周りの反応を変えることができる点と、なりきることで、そのキャラクターの気持ちを知ることができる点の二つのメリットがあります。自分が変わらなければ相手も変わりません。チャレンジしてみてください。