保険の営業所長や、店舗の店長など女性の多い職場のなかで管理職として勤務する経験があった人で、女性の部下で苦労したことがあるひとは多いでしょう。

女性は、明らかに男性とは違う特性を持っています。基本は同じ人間だからという考えは捨てたほうがよいでしょう。男性の部下に通じた方法が通じないのが当たり前です。女性は、男性とは別の生き物だと思うくらいでちょうどよいのかもしれません。

それでは、女性はどのような特性を持っているのでしょうか。

・上司の言うことよりも、まわりの同性からの評価を気にする。
・自分だけ目立つことは嫌がる
・出世などの上昇志向はあまりない
・管理したりされたりするよりも仲良くやる方を好む
・競争よりも和を好む
・気分で態度が変わる

このことからもわかりますが、上司だから言うことをきくという感覚は、女性には無いと思ったほうが良いかもしれません。むしろその人との人間関係や人間性を重視する傾向があります。

男性なら上司による勤務評価を気にしたりしますが、女性は、もともと出世意欲が低いため、上司という権威は小さくなっています。権威ではなく、人格や人間性、もしくはその人との人間関係で従ってもらわなければならないので骨が折れます。

一方的に命令すると反発を受けて、上司が孤立してしまうケースもあります。女性は、仲間意識が強いので、まとまりやすく集団で反抗してくるときもあり、こうなるとお手上げで上司の管理手腕が問われることにもなります。

女性の部下と接するときに効果がありそうな方法について取り上げていきます。

負けるが勝ちという言葉がありますが、女性には、あえて負けておく方がよい場合もあります。負けることで相手が気持ちよく仕事をするように仕向けるのです。ここは、あなたの主張をのむけれど、そのかわり、ここはやってねという感じでしょうか。

正面から争って負かしても、いつまでも根に持たれます。むしろ争わない姿勢も大事です。要は、最終的に自分の思ったような行動をとってもらうことが目的なのですから。目的を達成するためには、あえて引けるところは引いてしまうことも大事なことです。いったんは、ひっこめても、何度でも言い続けることです。

人間関係を築く努力も必要です。声をかけたりして、まめなコミュニケーションが取れていれば、仕事もスムーズにはかどります。そのときに、公平に声をかけることが大切です。女性は、えこひいきを嫌います。そういう気持ちは全くなくとも、そう取られる可能性のある行動はやめましょう。後で痛い目にあいます。

女性の中で、影響力の強い人がいる場合には、その人を中心にまとめるほうがうまくいくことがあります。自分が中心となるのではなく、女性のなかで影響力の強い人をリーダーにするのです。ただしこの場合には、女性リーダーとの関係がしっかりしていないと、例えば上司が異動で替わった場合などには、逆効果になるケースもあります。

男性の部下も女性の部下も、同じ人間がいない以上、また組み合わせも無限にありますので、チームの数だけ最適なリーダシップのスタイルもあるはずです。これでベストというのもありません。苦労して身に着けた方法が、異動した先では全く役に立たないことも珍しくありません。実践して、試行錯誤して身に着けていく方法しかないと思います。お互いに頑張りましょう。